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がんばれ! 港町 気仙沼
〜70年前の町民歌を復元〜

気仙沼は昭和15年に町制50周年を迎えました。町はそれを祝って町民歌を作ることにし、土井晩翠に作詞を依頼しました。
翌年気仙沼を訪れた晩翠は、活気にあふれる町の様子や風光明媚な景観を詠みました。そして、地元で司法書士を営む栗原勉がこれに曲をつけました。
完成した歌は、昭和17年の発表会で町民に披露されました。町民歌は小学校の朝礼などで何度も唄われ、こどもたちに親しまれました。しかし、戦争が激化し敗戦を迎えるとともに唄われなくなり、いつしか忘れ去られてしまいました。

気仙沼町民歌

鏡音リン・レンの歌声でお楽しみください

作詞 土井晩翠
作曲 栗原 勉

少年歌集に記載
昭和17年の発表会

一)
    萬理の波に 勇魚とる
        漁業にそひて 生産の
    工業さらに 日にふるひ
        月に進みて 新なる
    あゝ気仙沼 栄あれ

二)
    亀山 早山 安波山
        かれとこれとを 仰ぎみて
    一湾しづか あゐの水
        鼎浦を 分け行けば
    太平洋は あまひたす

三)
    無双の勝地 時を得て
        今昭代の 光浴ぶ
    人又和して 国のため
        町民共に 一斉に
    つとめ励みて やまざらむ

長く低迷する気仙沼。その原因は漁業の不振だけとは思えません。人々の思考法・規範に問題はないでしょうか。古い考え方に固執せず、新しい発想で町を活性化してほしい。他に例のない景勝地(無双の勝地)が出番を迎え(時を得て)脚光を浴びている(光浴ぶ)のです。先人が残したこの歌を応援歌として市民に贈ります。

地元紙「三陸新報」に掲載された西田耕三氏の随筆が、小山東助と親交のあった土井晩翠が気仙沼を訪れて町民歌を作詞したことにふれています。作曲はあきぼう主宰者の父・栗原勉とあり、いまでも唄えるという市民がいることを知って復元に取りかかりました。
私の復元作業の記事が出ると、こんどは数人の読者から歌えるという声が寄せられました。録音機材を携え採譜に走り回りました。
80歳半ばの方はゆっくりとしたテンポで唄いましたが、数年若い世代はアップテンポで唄いました。町民歌が完成した頃は、ちょうど日本が第二次世界大戦に参戦した当時です。元々の町民歌は、ゆったりとした4分の4拍子の歌だったのでしょう。それが戦局の激化とともに軍歌のような2分の1拍子で演奏されたのだと想像します。



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August, 2010